WORKS
彼(ビル)に撮られることこそが、ニューヨーカーのステータス!
80歳を超えた今もなお、自転車で街を駆け回り、50年以上にわたりニューヨークの街角でファッション・スナップを撮影し続ける、ビル・カニンガム。世界に名だたるニューヨーク・タイムズ紙の人気ファッション・コラム「ON THE STREET」と社交コラム「EVENING HOURS」を担当する名物フォトグラファーであり、ストリート・スナップの元祖的存在だ。謎に包まれたそのプライベートは、親しい業界人にも知られていない。
一年中青い作業着に身を包み、コーヒーは安ければ安いほど美味しいと言い、ニューヨーク・タイムズ紙の写真家としての客観的な立場を保つために、パーティー会場では水一杯すら口にしない。50年以上暮らしていたカーネギーホールの上のスタジオアパートの小さな部屋は、今まで撮影した全ネガフィルムが入ったキャビネットに占領されていて、簡易ベッドが置いてあるのみ。キッチンもクローゼットさえもない。仕事以外のことには全く無頓着で、頭の中はいつもファッションのことだけでいっぱいといったような質素な生活ぶりなのである。
2008年にフランス文化省から芸術文化勲章オフィシエを受勲した際のパーティーで、「私のしていることは仕事ではなく喜び」と語ったビル。自分の仕事をこよなく愛し、そしてニューヨーカーたちに愛され続けるビル・カニンガムというこの希有の人物の私生活や仕事ぶりを、温かくユーモアにあふれる視線で映し出した本作は、観る人みんなを幸せにする。
AWARDS
- 第39回ニューディレクターズ・ニューフィルムズ映画祭 オープニング作品
- 第18回クロトゥルーディス賞 最優秀ドキュメンタリー賞
- 第59回メルボルン国際映画祭 ドキュメンタリー部門観客賞
- 第57回シドニー映画祭 最優秀ドキュメンタリー観客賞
- 第15回ナンタケット映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞
- ほか